こんにちは、くみです。
今回私が遭ったのは『偽タクシー』です。
タクシートラブルの中でもかなり悪質な方だと思います。
私は結構ビビリなので、前回はもちろん今回も、ベトナムで遭う可能性のあるトラブルについては旅行の本とネットで調べていたつもりでした。
色んな事が日本とは違うのだからトラブルはあってあたりまえだし、一人で行く以上、日本にいる時以上に自分の身は自分で守らなければいけないし。
で、今回遭ったトラブルも、本でもネットでも見かけた事があって『気をつけなきゃな』って思っていた、つもりでした。
でも遭っちゃうんですね…。
ベトナムのタクシートラブルの例
ベトナムのタクシーは日本に比べてトラブルが多く、かなり気をつけて乗らないといけないのですが、よく言われるのは
- メーターのないタクシーには乗るな。(ぼったくられる)
- メーターがついていても運転手が使わないようであればタクシーを変えたほうがいい。(ぼったくられる)
- メーターが回っていても、周り方が早くなる改造をされている事があるので気をつけろ。(普通の数倍〜の値段になるとか。気がついた時点で抗議するかその場で降りたほうがいい)
- 比較的安全と言われているタクシー会社を選んだほうがいい。(ホーチミンであればVINA、VINASUN、MAI LINH)
そして、
- 一見、安全なタクシー会社(VINASUNやMAILINH等)のタクシーに見えても、車体のカラーリングや電話番号を似せただけの偽タクシーがいるから気をつけろ。
今回わたしが引っかかってしまったのは、この偽タクシーによるトラブルでした。そういう手口があるって、知っていたのに…!
被害に遭った時の状況
私はベンタイン市場の近くのネイルサロンで、フットジェルネイルをしてもらってるんるんでした。
気分が良くて気が緩んでいた事は否めません。
そのタクシーは道のバイクを散らすようにして強引に滑り込んできました。
「ちょっと運転が強引だな」と思ったのを覚えています。
外見は、カラーリングは完全にマイリンタクシーでした。
いつもなら、車体に書いてある電話番号まで確かめて乗るのですが、その時どうだったか、どうしても思い出せません。
気が緩んでいたので、電話番号らしきものを見て安心したのか、もしかしたら電話番号すら書いていなかったのか…
乗ってしばらくは異変に気づきませんでした。
運転手がフレンドリーでやたら旅行の事について聞いてきて、私もハノイに行くんですー、なんて旅の話をしたりしていました。
でも私がもうちょっと注意深かったら、乗った瞬間に気づいたはずなんです。
途中で感じた違和感
まず、メーターがおかしいと感じました。
ベトナムのタクシーメーターは小数点一桁の表示になっていて、×1000VNDなので、例えば『14.0』なら14,000VND(2011年4月は1円=250VNDくらいだったので、大体60円くらい)になります。
中心部の移動ならば100,000VNDを超えることはまずありませんでした。
だけど、そのタクシーは7桁で、小数点がないんです。
気がついたあとも、そういうメーターもあるのかな、なんて思っていたりしたのですが…。
表示が500,000になって、『これ、5万VNDだよね…?』と不安になり、実際の紙幣を出して運転手に「この金額ですよね?」と聞いても、肯定も否定もせず車を走らせ続ける運転手。
そこではっきりと不安を覚えて、もういいからここで降ろしてほしい、と言っても、目的地はスグそこだから、と車を止めてもらえない…
車を止めて恐喝
そして実際に下ろされたのは、確かに目的地に近かったんですが、車が通るだけで人通りがあまりない橋のふもとでした。
そこで請求されたのは、『100万VND』。
日本円で約4,000円。ありえない!
どう考えても、10万VNDもしない距離です。
これはもう完全にぼったくりタクシーだ、Mai Linhタクシーに乗ったつもりだったのにおかしなタクシーに乗ってしまったんだ。とやっとそこではっきりと分かって、かなり抵抗をしました。
No!と強く言ってみたり、
そんなお金は持っていません!と言ったり、
ホーチミンに住んでいるベトナム人の友だちに電話をかけたり(仕事中ごめんなさい)。
その改造タクシーは犯罪仕様となっていた
しかし、そのタクシーは普通のぼったくりタクシーと違って、かなり犯罪性の高いものだったようでした。
友達が電話に出たので代われと言われ、電話を渡したら電源を切られて電話を奪われたり(何とか奪い返した)、
電話で友達に助けを求めているとカー・ラジオをめちゃくちゃ大音量で流して妨害したり、
そして極めつけは、(前にネットで読んだタクシートラブルで、すごい値段を言われて、抗議してそのままタクシーを降りたという体験記を読んだことがあったので)意を決してタクシーから降りて逃げようとしたら、 …ドアが開かない!!
なんと、鍵をかけられるのは前部座席だけで、後部座席の鍵がなかったんです。
そんな改造、本格的すぎる。
完全に閉じ込められてお金を払うまで帰れない状態でした。
その友達が勤めている会社の前まで誘導しようとしたり、警察へ行こうと言ったりもしたのですが、その移動も料金に追加すると言われたり、警察に行くと言ったってちゃんと連れていってくれる保証なんてどこにもなく、むしろ本当に人気のない山の中に連れて行かれるかもしれない。
そっちのほうが確率高い。
そうなったらお金どころか身の安全もかなり危ない…
車から出るという事も不可能で、車を動かすという選択肢もない。
あーもう八方塞がりです。
相手がこちらを見ていない隙に、ノートに『Help me』と赤いサインペンで書いて窓に貼ったりもしてみたのですが、時々いた通行人は全く反応せず。
くっ、、、
なんとか値切って脱出
結局、お金は1000円+100,000VNDまでディスカウントされ、それを置いてドアを開けてもらいました。
くそっ、、、
最後にドア凹むくらい蹴ってやればよかった、、、!
それかドアが空いた瞬間に現金つかんで逃げるとか…
身の安全が確保されてから色々と、ああすればよかった、というような事は思いつくんだけど、その時は本当に動揺していて、やっぱり犯罪に遭っている瞬間って気が動転するものですね、、
また、4千円位で、身の安全を考えたらとっとと払えばよかったんじゃないの?と思う人もいるだろうけど(手持ちがあったかどうかは別にして)、向こうの100万VNDって大金だし、そんなの抵抗しないでホイホイと払っていたら、悪い人が味を占めてまた違う旅行者がカモにされやすくなってしまうじゃないですか。
だから本当は相場以上のお金はどうしても払いたくなかった。
ただのぼったくりタクシーなら絶対払わないって決めていたんだけど…
同じような目に遭わないための教訓
今回、まともなタクシーと比べて感じていた違和感をよく思い出してみました。
こんなところ、『おかしいな…?』と思ったら、ドアを閉める前にタクシーを出てください!
(ドア閉めると鍵かけられて自力じゃ出られなくなっちゃうんでね…)
- 運転手の身なりがやたらカジュアルだったら警戒する。
(本物のMai Linhタクシーの運転手はきちっとネクタイを締めているし外見も真面目そうです。私が乗ったタクシーの運転手は普通のおっちゃんぽくて、サングラスをかけていました。まあ正規の運転手でもサングラスをかけていることはあるらしいのですが…) - メーターがちゃんと小数点がある普通のものか確認する。
さらに大手のタクシー会社だと、ちゃんと何キロいくら、みたいな会社の規定の掲示がしてある。私の乗った改造タクシーにはなかった。 - そして、乗る直前に、後部座席に鍵があるか確認する。あるべきものがない時はかなりブラック。
今回の旅はその後ずっと、後部座席に鍵があるか確認してから乗っていました…。
そして、体感した事以外の、一般的な注意点。
- まず、車体の電話番号はしっかりと確認する。
ホーチミンはMai Linhだったら38383838、VINASUNは38272727。偽物はよく似た数字を使っているので、字面だけで安心せずしっかりと確認する。(しかしこれ、偽物が本物の電話番号書いている事ってないのかな) - 運転手の社員証が車内に掲示してあるか確認する。
(被害に遭ってから私も確認するようになりました。正規のタクシーはしっかり掲示していた。)
私も勉強になりました…
1500円程度、勉強代だと思えば、まあ。
(その後かなり怯えて凹んで旅行を楽しめない時間が少し続いたのが、プライスレスでもったいないですが…)
お金で済んでよかった、なんて、今だから言えるのですが、身体や命が損なわれなくて本当によかった。
お金だったらリカバリー効くけど、身体や命は効かないものね。
よく見ると街中をウロウロしている怪しいタクシーたち
それから街を走るタクシーをよく観察するようになったんですが、いるわいるわ。
マイリングループにとてもよく似たロゴを載せているのに電話番号が書いてなかったり、
VINASUNにとてもよく似た外見で電話番号も乗っているのに2つくらい数字が違ったり。
そういう偽タクシーが、ベンタイン市場の近くでも、デタム通りでも、普通にたくさんうろうろしていました。
たくさんいるし大丈夫だろうと思ってうっかり乗ってしまったら、私のような目に遭うんだなと思うと、すぐそこにある危機、みたいなものが身に染みて感じられました。
(友だちになったホテルスタッフのベトナムの女の子も、あれは危ない、って言っていました)
しかし、今回3週間ほど向こうに行っていて、危険な目にあったのは唯一これくらいなので、それでも運がよかったのか。
そして後日、他の日本人の子がタクシーで200万VNDぼられた、とかいう話を聞いて、ああ金銭的にはまだたいしたことない方だった…としみじみしました…
(私のほうが、改造してあったりで犯罪性は高かったのですが!)
このトラブルがすっかり霞むくらい、色々な出会いが今回あって、向こうのベトナムの人や日本の人によくしていただいて、旅を楽しんできたので、それでもやっぱりベトナムは好きですけど。
みなさんも気をつけてくださいね! ではでは。(‘∇’)