台湾グルメ花蓮

花蓮県・光復郷の見てよし食べてよし、美しい阿美族伝統料理『剣柔山荘』

花蓮県光復郷・劍柔山莊 台湾グルメ
この記事を書いた人
Kumi

2014年1月よりデジタルノマド的に海外放浪生活を送っています。現在10年め。COVID-19の間はタイに留まっていました。その間に最愛の猫夫に出会ってしまう。
色んなところにちょっとずつ住んでみる、短期旅行でも長期滞在でもない感じが好き。現地SIM好き。

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こんにちは、台湾を放浪中のくみです。
年末に友人・知人と集まり高雄で食い倒れ忘年会をしまして、その流れで花蓮県・光復郷の阿美族伝統料理レストラン・劍柔山莊(剣柔山荘)にお連れしました。

この料理は経験できて本当に感動しました!見て美しく、香りも良くて、食べておいしい、身体中の様々な感覚が喜ぶ料理でした。何かを言い切り形で勧めるのはあまり好きではないのだけど、これは本当におすすめです。実際に体験しないと、なかなかこれは伝わらないと思う。もし花蓮や台東に行く機会があれば、少し足をのばしてぜひ訪れてみてください!

※ 台湾の言葉では『劍柔山莊』表記が正しいのですが日本語の漢字にないため、以下記事内では『剣柔山荘』と表記します。

台湾原住民・阿美族とは?

みなさん台湾に『原住民』という人達がいるのを知っていましたか?私は台湾を訪れるまで全く知りませんでした。

台湾・花蓮の原住民一條街にあった原住民の説明パネル

花蓮の原住民一條街にあった各部族の説明のパネル

『原住民』は先住民族の方たちを指す言葉として、台湾では普通に使われています。英語の『native』(参考:native – Definition from Longman English Dictionary Online)と違ってネガティブなニュアンスはないようです。(『先住民』は、漢語では既に滅んでしまった民族を指すそうです)

原住民族は台湾の東部に多く住んでいるそうです。台湾には政府が認定した数として16の原住民族があり、阿美族はその中で最大の人口を擁する原住民族です。

台湾原住民 – Wikipedia

元々2015年の8月に台湾を訪れたのはその阿美族の豊年祭に参加するためで、その時に阿美族の人がこの剣柔山荘に連れて来てくれたのでした。(その時の事まだブログに書けてない…!!><)

非常に鮮烈な食体験だったので、今回食に対する好奇心と冒険心が旺盛な食い倒れ会主催者に話をして、今回食のExplorersを花蓮県光復までお連れする事になりました。高雄から花蓮って結構距離あるんだけど、みんなよく来たな。

光復郷の自然の中に佇む『剣柔山荘』

剣柔山荘外観。背後に山がそびえており、自然に圧倒されます。

台湾・光復の自然の中に佇む剣柔山荘

広い前庭では2頭の犬が遊んでいました。

剣柔山荘の庭で遊ぶ犬たち

黒い方は目が合うと駆け寄って撫でてほしがる甘え上手なタイプ、茶色い方は黒に威張っているけど人間には警戒してしまいなかなか甘えられない不器用なタイプでした。

剣柔山荘の黒いワンコ

犬のてへぺろ

阿美族が食べている、たくさんの独特な野菜や山菜たちの説明

入口近くの壁には阿美族が食べる独特な野菜や山菜の説明が所狭しと貼ってあります。
日本にもあるものもところどころにありますが、多くはどれも聞いたことのない珍しいものです。 

▼種類別に野菜の写真と説明が貼ってあります。

剣柔山荘の野草の説明(葉菜類)

剣柔山荘の野菜説明(瓜果類)

剣柔山荘の野菜説明(根菜類)

この日ホストを務めてくださった、剣柔山荘の料理人の姐姐の妹さんで瑞穂でペンションを営んでいる阿美族のAmy(エイミィ)さんによると、

「阿美族は山にあるものは何でも食べちゃうの!
一座山 阿美族、半個月 山就凹了』という言葉があってね、阿美族が来ると半月で山が食べ尽くされちゃって凹んじゃうの(笑)」

という事でした。

確かに阿美族のお友達と自然の中を歩いていたら、
道端の草や樹木を指して「あっこれは食べられる」「これも食べられる」「これはおいしい」と食べられる発言ばかりだった…!(´Д`;)

▼色々と書いて説明してくれたAmyさん。ありがとうございました!謝謝Amy姐姐〜

剣柔山荘で料理や野菜の説明をしてくれているAmyさん

春芽・夏葉・秋果・冬根』、つまり春は芽、夏は葉物、秋は実、冬は根菜を食べるのだそう。
季節によって料理の内容が変わるそうです。

こんな野菜説明もありました。

剣柔山荘・野菜の説明

野菜はこの近くで取れたものだけを使用し、水は山から清水を汲んでくるので美味しいそうなんです。

敷地内の植物にはこのように説明書きが。実際に料理に使っているものがたくさんありました。
…もしかしてみんな食べられるのか…?そうなのか?

剣柔山荘の庭の植物にある説明書き

部族の文化を説明する工夫があちこちに

食べるだけではなく、原住民文化についても知ることが出来るようになっています。

▼館内にも原住民文化の展示品が。

剣柔山荘・阿美族の文化の説明

▼族長かしら…?

剣柔山荘・阿美族の文化説明パネル

▼豊年祭らしき写真も。衣装は鮮やかな感じ。

剣柔山荘の阿美族・豊年祭の写真

▼敷地内にも、文化を説明する展示がありました。

阿美族の水力で米を突く機械

光復郷『剣柔山荘』コース料理

さて、いよいよ料理について書きますね〜!!
『剣柔山荘』はコースで出てくるのが基本となっています。(お茶はついてきます。ビールは別に頼めるはず)
『阿美族新概念風味餐』という事なので、阿美族の伝統料理を取り入れた創作料理なのだろうか。

ちょっと単独の写真がないのですが、最初にハーブティが出てきます。夏は冷たく、冬は少し温かく。

▼これは夏の時の写真です。

一品目のサラダとお茶

今まで味わったことのない、不思議な清々しい味がします。
このハーブは後で出てくる魚料理にも使われているんです。

1品目:生命力溢れる阿美族野菜の盛り合わせ、野蔌總匯

最初に出てきたのは、ぴかぴかと美しく光る野菜たち!

剣柔山荘・一品目の野菜がぴかぴか光るサラダ

特製のドレッシングをかけていただきます。

野菜たちはどれも活き活きとしていて生命力に溢れ、『ああ…命を頂いている…尊い…』という気持ちにさせられます。今回の参加者たちはすでに1品目にして『花蓮くんだりまで来てよかった…』と思ったそうです。よしよし。

私のスマートフォンだと、あの野菜から溢れる生命力のようなものが写真にうまく写らない…(´・ω・`) 他の人から一眼レフで撮った写真をもらえばよかったな。 

2品目:黄色と紫が美しい蒸情薌頌(紫のもち米)

次に出てきたのは、上に載った黄色が色鮮やかなお米。『黑糯米、白糯米、紫糯米、香米、小米』の5種類の穀物を使っていて、カボチャで甘みを添えているそう。少しモチっとしていて食感が良く、ぱくぱく食べてしまいます。

2品目の蒸情薌頌(紫のもち米)

庭に自生している葉を使って炊かれています。この葉が清々しい良い香りなのですが、その香りがお米に移って、これがまあまた良い匂い。これから出てくる料理にもハーブが使われていて、本当に好看・好香・好吃(見てよし・嗅いでよし・食べてよし)です。身体の色んな感覚が悦ぶのが分かります。

▼食べている最中に私を庭に連れ出し、「これこれ!この葉っぱを使っているのよ!」と説明してくれるAmyさん

葉っぱを説明してくれるAmyさん

3品目:特製ソースをつけていただくカツレツ・金鑲酥排

野菜・ご飯と来て次に登場した肉料理、特製の自家製ソースをつけていただきます。

3品めのカツレツ・金鑲酥排

これがそのソース。写りが悪くてすみません;;

カツレツのソース

甜酒醸という酒粕のようなものと、蕗蕎という植物から作っているそうです。(ネギではないようだ)

自家製カツレツソースの材料の甜酒醸と蕗蕎

4品目:特製ソースで作られた鶏の照り焼き・蔥翅舞味

4品めの鶏の照り焼き

美味しそうな鶏の照り焼き。特製のネギ醤油で作られているそうです。

5品目:とてもよい香りのハーブ詰め焼き魚・搶鮮烤魚

次は魚!

ハーブ詰めの焼き魚・搶鮮烤魚

豚・鶏・魚と豪華ですね。

ちなみに昔の阿美族のタンパク質源は、地上からカタツムリ、水から魚・海老、天から鳥という事なのだそうです。カタツムリ…!食べてみたいような怖いような。カタツムリ料理の写真はFBページでも見ることができます。

阿美族料理の串

さてこの魚なんですが、中にハーブが詰められています!
最初に出てきたお茶と同じハーブを使っているそうなんですが、これがとても良い香りなんです。

魚の中にハーブが詰まっています

この良い香りがあっさりした白身に移って、口に入れると何とも言えない幸せな気持ちになります。
花蓮まで来てよかった…。幸せってこういうことだよな。

6品目:情人的眼淚の甘辛煮

さて次は『情人的眼淚(恋人の涙)』というロマンティックな名前の野菜を使った料理です。

恋人の涙という名前の野菜を使った料理

キノコ(イシクラゲ?)の一種なのだそう。見た目は海藻みたいです。
雨が降ったあとに成長するところから名付けられたそうです。

唐辛子を使っていて少し甘辛い、ご飯によく合う1品です。

7品目:季節の湯(スープ)

どこまで出てくるんだ…というくらい出てくる料理。いよいよスープで終了です。
実は私、剣柔山荘にもう4回行っているんですが、行くたびに違うスープが出てくるんですよね。この時は豆のスープ。ほっこり。

剣柔山荘の豆のスープ

夏は野菜のスープでした。色がきれい。

夏に出た野菜スープ 

阿美族の昔ながらのスープの作り方を目の前で見せて頂ける時もあります。

阿美族の伝統的なスープ作り

熱した石を入れる事で沸騰させる。日本の地方にも確かありましたよね。
鍋(に値するもの)や食器が竹や葉などの植物で出来ているのも興味深いです。

昔ながらの作り方、熱した石でスープを作る

デザート:百香果(パッションフルーツ)のヨーグルト

なんとデザートまであります!パッションフルーツのヨーグルトです。
程よい甘みで、パッションフルーツの食感(種がぱりぱり)が楽しくて、一人でずっと食べてました。

デザートのパッションフルーツヨーグルト

これは消化を助けてくれるそうです!

Kumi
ほんとに最後まで身体に良い感じのお料理でした。ご馳走さまでした!🙏

『剣柔山荘』コース料理 お値段

人数によって異なるそうです。

  • 〜6人:ひとり350元
  • 7人〜:ひとり300元

聞いた時、あまりの安さに耳を疑いました。
日本の感覚だと、この値段の何倍以上も価値があると感じます…。
都市部の観光客向けのレストランではこうはいかないんだろうなあ。やはりこういうお金の使い方しなきゃね!

バジェットトラベラーとしては、色んな国のこういう経験をどんどん見つけて発信していきたい。世界にきっとまだまだこういうところは眠っているはずだ…!燃えます。

ベジタリアンへの配慮もあります

事前にお願いをすれば、植物性のもののみ使用したコースの提供もしていただけます。
お値段が変わる可能性があるので、ご依頼の際にご確認ください。 

光復郷『剣柔山荘』の場所と行き方

さて、『剣柔山荘』への行き方です。
まずは台湾東部、花蓮県の光復(Guangfu)駅にて下車。東部の中間ほどにあるので、台北から行くのも高雄から行くのもそんなには変わらないです。

光復は花蓮県にあるんですが、花蓮駅からも少し距離があります。

光復は小さな村ですので、行き帰りの電車の時間はご注意ください。あまり宿はないようなので、花蓮に泊まった方が良いと思います。

また『剣柔山荘』への道は夜は暗いようなので、車でなければ日中に訪れるのがおすすめかな…、もしくはお店の方に送迎をお願いするとか。

▼光復駅からの行き方はこんな感じです。徒歩で20分弱、駅にはタクシーもいますが周りの自然を楽しみながら歩いて行くのも楽しい。車だと5分くらい。

途中の風景。

▼この駅の左にある踏切を渡ります。方角的には…北なのか

剣柔山荘への行き方:踏切を渡ります  

▼ここは…たしかまだ真っ直ぐだったような…違ったらすみません、GoogleMapsで現在位置を見ながら進んでください(´Д`;)

剣柔山荘に向かう道

▼ここは左に。

この十字路は左に曲がります 

▼まっすぐ続いて不安かもしれませんが、とにかく進んでください。

剣柔山荘への、真っ直ぐに続く道

▼ここは左に。右はお寺なのかな…?

お寺への曲がり角がある

▼やった!看板が見えてきた!ここを左です。

看板があります。ここを左に

▼どこまでも続く広々とした道… 山の景色を楽しんでください。

山が見えるのどかな道

▼見えてきたでえ〜〜〜

建物が見えてきました

▼立派な門が見えたらそれをくぐってください!

剣柔山荘の立派な門

 

▼この奥に建物があります!お疲れ様でした。

剣柔山荘の入口を入ったところ

剣柔山荘 連絡先

剣柔山荘はFacebookもありますので、行く際はこちらに連絡してみてください。英語も多分大丈夫。

劍柔山莊
劍柔山莊さんはFacebookを利用しています。Facebookに登録して、劍柔山莊さんや他の知り合いと交流しましょう。…

Kumiのブログを見て来たと言ってくれたら…特に特典はないと思うのですが…、感謝されるので私が嬉しいです。よろしくお願いします。(笑)

Kumi
ここに私を最初に連れてきてくれて、素晴らしい機会をくれた日本人と阿美族の友達に感謝です!真的非常感謝你們!!

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