こんにちは、くみです。
放浪生活を長く続けるにあたって非常に助かったのがいわゆるドミトリー宿の利用でした。
個室の宿だけだったら、私の予算ではとてもこんなにながく海外放浪生活は続けられていなかったと思います。
日本では今まであまり一般的ではなく、バックパッカー属性の人しか使っていなかったのではないかと思います。
上手に使うとぐっと滞在コストが圧縮できますし、相部屋で共有スペースも充実しているところが多いので、友達も作りやすいです。
最近はフラッシュパッカーやデジタルノマド向けに少し上質なドミトリー宿やコワーキングスペース付きのところも増えてきました。
寝ることだけに特化したスペースは効率的とも言え、海外でノマドワークしながら長期滞在したいという方にもお勧めです。
ドミトリーとはなんぞや?
まずはそもそもドミトリーとはなにか?を説明しますね。
ドミトリー (dormitory) とは、ユースホステルやゲストハウス・一部の民宿(いわゆる「ユース民宿」)や山小屋などの宿泊施設において、相部屋を前提とした部屋のこと。「眠る(dorm)場所」が原義。
一般的には『相部屋形式の宿泊形態』ですね。
大抵は二段ベッドで、シャワーやトイレなどの水回りは共用です。
安宿=汚い、不衛生 というイメージもあるかもしれません(そしてそういうところもあります)が、私の経験上は下手に安いホテルの個室よりもしっかりしたドミトリーの方が清潔で満足感が高かったりします。

上の写真は台北の宿です。
台湾はわりとスタイリッシュで清潔感のあるドミトリー宿が多い印象です。
ドミトリーに泊まるメリット、魅力
宿泊コストを圧縮できる
一番分かりやすいメリットはこれですね。
私は最初の海外旅行も次の海外旅行も普通のホテルに泊まっていて。
最初はマンダリンオリエンタルとか(!)メリディアンとかだったので1泊1万円以上しましたし、次の旅行も、ホーチミンで3,000円のホテルに泊まって『安いなあ』とか言っていました。今思うと間抜けです。それで「海外には高くてなかなか行けない」とか言っちゃってね、今考えると全然モノを知らなかったです。
ドミトリーは相部屋なので値段が安く、例えばチェンマイでは1泊500円が相場です。5,000円でも1,500円でもないよ。1泊500円です。
▼例えばこのゲストハウスは旧市街・チェンマイ門近くで500円以下、Agodaの評価は8(すごく良い)です。
もちろん都市によって相場が違うんですが、東南アジアでは大体500〜1,500円で泊まる事が出来ます。*1 1日1,000円なら1ヶ月泊まっても30,000円だ。
マンダリンオリエンタルバンコク1泊分でドミトリー1ヶ月泊まれちゃいますよね…!!
普段日本で忙しく働いてたまの短い休みに海外で贅沢を…というケースには向いていませんが、決まったコストの中で海外での生活期限を延ばしたい、宿泊コストを圧縮してその分別の経験に投資したい、という人にはかなりおすすめ。旅行中部屋で寝るだけならば、考えたら確かにシェアルームの方がコスト効率よくて合理的だよね。
私も海外生活の中で何とか食っていけるようになりたかったので、住コストが節約できるのは大変助かりました。
生活費の中で大きなウェイトを占める住コストを圧縮できれば、例えば、
- 半年間海外の生活コストの安い場所で語学の勉強をしたい
- 3ヶ月間プログラミングを集中してやりたい
等の自発的な海外合宿も現実的になります。例えば先ほどのチェンマイのゲストハウスには、タイ語を学びに来ている40代の台湾人の女性がロングステイしていました。
1日5,000円もかけてたら、海外で半年生活なんて大変だよね。
他のゲストと会話する機会が多い、色んな国の人と仲良くなれる
ドミトリーと言うと日本ではお金のない人や若い人、バックパッカー崩れが利用するっていうイメージがあったりするかもしれません。私が利用して見てきた中でもやっぱりそういう層は多いんですが、それだけではなくて旅行好きで世界を回っているような面白い人達が賢く節約するために使っていたりします。すぐ人と仲良くなるオープンマインドな西洋人なんかを見てると、ネガティブなイメージなくドミトリーを利用しているように見えます。
ドミトリーは相部屋なので他の旅行者と部屋が一緒になるんですけど、大抵「Where are you from?(どこから来たの?)」等と挨拶を交わして、お互いが話したい感じであればそのまま盛り上がって仲良くなったりします。
ゲストハウスで仲良くなって観光に一緒に行ったりもしたし、Facebookでつながってそれから1年半後に相手の国で再会、なんて事もあるよ。
また、ゲストハウスには大体共有スペースがあって、良いゲストハウスは旅行者同士の交流があったりします。
共有スペースで一緒にDVDを見たり、ご飯を食べに行ったり…。
2泊3日の短い旅行ではなかなか知り合いになるのは難しいですが、長い滞在だと顔を合わせる事も多いので自然と会話を交わすようになったりもします。
個人の価値観ですけど…お金も地位もそれなりにある方が、他国の人たちと交流を持つ+旅費を圧縮するためにあえてドミトリーを使っている姿を見ると、私は『おお旅の上級者だなあ…洗練されているなあ』と感じます。(効率萌えだからね)
ドミトリーのデメリット、注意点
盗難には注意
これは一番よく言われる事ですが、盗難には注意してください。
他の国の旅行者で結構ベッドの上にモノ(衣服とか、ひどいとデジモノとか)置きっぱなしにしてる人も多いんですが、『置きっぱなしにする=無くなっても構わない』くらいの認識でいないといけない。
私も履き古したスポーツウェアをベッドの上に置いておいたらなくなっていた事あったし、マラッカでは汚いノーブランドのスニーカー持って行かれたし…充電のために置いておいたらiPadを持って行かれたという例も実際に見ました。料金が安いという事はお金持ちじゃない人が泊まりやすいという事なので、残念ながらこういう事はあります。
大抵はゲストハウスに鍵付きロッカーがあると思いますが、ないところもあるので南京錠やワイヤーなど最低限自衛できる装備があるとよいです。
▼長いワイヤーと短いワイヤーを駆使してトートバッグをロックするの図

やる気になったら布なんか刃物で裂けちゃうので本気の相手には効かないですけど、まあ出来心系の相手のやる気はそげます。
ゲストハウスのロッカーで一番セキュアなのは自分の南京錠を使えるタイプだと思っています。以前バンコクのゲストハウスで複数盗難事件があり、どうもリピーターがロッカーの鍵を複製して盗難に使用しているのではないかという疑いがありました。そういった事もありますし、ゲストハウスのスタッフだったら開けられたりもするので、過度の信頼は禁物です。
共同生活のため、独特の作法は必要
他人と一緒に寝起きするという事はもちろん煩わしい事もあります。
- 真夜中なのに部屋の中で電話しててうるさい
- いびきや上のベッドの寝返りのきしみがうるさい
- 寝てたら夜中の3時に騒々しく帰って来た
- 朝5時からアラームガンガンかけてる
- なんかヘアスプレーとか香水を部屋の中で使って臭い
などなど…
大体はマナーの問題で、ゲストハウスでルールを明文化してたりもします。あまりひどかったら注意しよう。(夜中の3時に騒々しく帰ってこられた時、私はちょっとキレました)ほんとひどいとカップルで一つのベッドに寝てたりして、ドミトリーでの性行為はどこも禁止しているのでそれも注意していいです。一緒に寝たかったら個室に泊まれ。
自分も他人を煩わせないように気をつけなければなりません。
私はよく夜中まで共有スペースでパソコンをカタカタやってて、部屋に戻ったらみんな寝ている…という事もしばしば。なるべく音を立てないようにそーっと寝支度をするんですが、起こしてしまった時などは申し訳ないな…と思います…
(必要以上に音を立てないために歯ブラシやコンタクトレンズ等の寝支度セットを予め枕元などに用意したりしてるのですけど、、)
また自分が朝起きなきゃいけない時にアラームを使っていいかというのも悩む。
最近のウェアラブルデバイスにはサイレントアラーム(バイブで起こしてくれたり)がついているものもあるので、近いうちに買いたいと思っています。
男女混合(ミックス)の場合の注意点
ドミトリーは男女別、または女性専用が設けられているところが多いのですが、男女混合(ミックス)のところもあります。
一番困るのは着替えかな。女性同士だと何となく大丈夫かなと思って部屋で着替えたりするんですが、男女混合だとそうも行かないし。大体はシャワールームで着替えたり…あと上の談にする事で下から死角ができるので、そこで着替えたり。
下着をベッドのところに干せないのも困ったりしますね。最近はなんか割り切り始めた自分がいて怖いですけど。
また、あまりない話だとは思うんですが…、一応何か魔が差してみたいな事があったら困るので、襲われにくいように、混合ドミでは私は上の段に寝るようにしています。
私は泊まっちゃってますけど、混合ドミは、女性は無理に泊まる必要ないです。女性専用と比べて混合ドミの方が良い点って少し安いくらいで、デメリットの方が多いですし。混合部屋しかなくて嫌な場合は宿を変えちゃってもいいと思う。
余談ですがバンコクであるドミに泊まった時6人部屋の他の5人が全員男性で、私より同室の人たちの方が戸惑ってました。あれ多分宿の人が性別間違えたんじゃないかな…
ドミトリーとは具体的にどんなところなのか
さて、良い点・悪い点を挙げたところで、具体的にどんなところなのか説明しますね。生活するイメージがわきやすくなればいいんですけど。
ドミトリーの部屋の例
二段ベッド
最初に大体二段ベッドと書きましたが、二段ベッドでも色々あります。
▼これはオーソドックスな感じのドミトリー、高雄のSingle Inn

例えばカーテン付きの二段ベッド。(東南アジアではあまり見ないのですが、台湾ではよく見ます)
▼高雄のTrip GG Hostel。カーテンを閉めるとプライベート空間。


二段ベッドも、木製なのか、パイプベッドなのか、鉄製のしっかりしたやつなのかで上の人のきしみなどが聞こえる聞こえないなど快適さに違いが出てきたり。
▼これはかなり凝ってる感じ、台南のLeo ho Hostel。かわいい

普通のベッド
ベッドがただ並んだこういうパターンもあります。これはマラッカのL’armada Guesthouse。

カプセルタイプ
カプセルホテルのような穴ぐら形式のタイプも。二段ベッドに比べて個室感があります。
▼これはベトナム・ホーチミンのPhuc Khanh Hotel。カーテンで仕切る原始的なカプセル。

私の経験値は東南アジア+台湾のみなので、他の地域のドミトリーも色々見てみたいです。ヨーロッパとか。
バス・トイレはどんな感じか
バス・トイレは共同で使います。部屋に付いているタイプと、部屋の外にあるタイプがあります。
個人的には、一番使い勝手がいいのは
- 部屋の外に複数ある
- 男女別に分かれている
というタイプだと思う。部屋に一つとかだと朝順番待ちになっちゃうから…
やはりトイレとかシャワーとかは男女別に分けて欲しいし。
▼Trip GGさんはシャワーもトイレも数が多くて、洗面台やパウダーエリアも分かれていて理想的


洗濯はどうするか
長期滞在すると洗濯の必要が出てきます。
東南アジアだと街に洗濯やさんも居たりするんだけど、私は手で洗ってしまう。
ゲストハウスによってゲストの洗濯物を干すエリアがある所とない所があって、ないと長期滞在大変なのでチェックしよう。
▼恆春のRainbowWaveの屋上

貴重品の管理はどうするか
注意点のところでも書きましたけど、共同生活になるので貴重品の管理は個室よりも気を使うことになります。
私の守るべき貴重品は『ラップトップ・スマートフォン・現金・カード類・パスポート』なんだけど、東南アジアだと現金やカードは身につけて寝たりするかなあ。あとはバッグに入れて鍵をかけ、それを鍵付きのロッカーに入れたりしています。台湾だとちょっと油断していて鍵付きロッカーに入れるだけだったり。
スマートフォンは枕元に出して寝がちなんだけど、例えばその日チェックアウトの人がそっと持って行っても気づかなかったりすると思うので、出して寝るのはやはり怖いと思う。それも台湾にいると油断しがちなんですけど…
次回:ドミトリーに泊まる時に用意しておいたほうがいいもの
長くなってきましたので記事を分けます。
次回はドミトリーに泊まる時にあった方が良いものについて。
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*1:KLは1,500円以上だったりと都市によってもう少し高かったりします。フィリピンも高め。シンガポールは論外