ジョホールバルトラブル・防犯・治安対策

マレーシア・ジョホールバルでバイク強盗に遭いました。そこからの気付きや、現地人の語るジョホールバルの治安について

ジョホールバル
この記事を書いた人
Kumi

2014年1月よりデジタルノマド的に海外放浪生活を送っています。現在10年め。COVID-19の間はタイに留まっていました。その間に最愛の猫夫に出会ってしまう。
色んなところにちょっとずつ住んでみる、短期旅行でも長期滞在でもない感じが好き。現地SIM好き。

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こんにちは、くみです。
マレーシア・ジョホールバルでバイク強盗に遭いました。

通常バイクの犯罪って後ろから走ってきてバッグなどをひったくって逃げていくやつなんですが、私が遭ったのはバイクを停めてわざわざ降りてきて強奪してこようとしたので、ひったくりっていうよりは強盗かな…

現時点での気づきや、治安や犯罪について現地人から聞いたこととかを書きますね。

強盗に遭った時の状況

まず、どういう状況で強盗に遭ったか説明しますね。

  • ジョホールバルのタマンモレックという高級コンドが立ち並ぶ高級住宅街エリア、そこからゴルフ場などに向かう道、商業施設が少なくなり、建物もポツポツと並ぶだけになる人気のなくなるところ。その道沿いの教会の入り口の門近く
  • 被害に遭った場所は教会の入り口の門近く、すぐ近くに複数の人がいて、そこにいる人の声も聞こえるくらいの距離
  • 被害に遭った時間は午後4時頃。まだまだ明るい時間だった
  • 門のところで立ち止まってIngressをやっていたところ、背後からバイクが通り抜け、少し先に停まり、二人組の男たちが近づいてくる
  • 『道でも聞くのかな?』と思っていたら、手に持っていたiPhone4を引っ張られる。思わずホールドしてしまったしたところ、暴行が始まる

道自体にヒト気は確かになかったのですが、高級住宅街エリアだし、教会の門のところで他の人の気配もあったし、まだ日中で明るかったので、手をかけられるまで強盗に遭うという発想が全くありませんでした。(ひったくりなどは警戒した装備だったのですが)
平和ボケしていたと言えばそれまでだが…

強盗に遭って気がついた事

自分の命の安さを再認識

今回、手に持っていたiPhoneとたすき掛けしていたラップトップ入りのカバンを狙われました。
iPhoneは人からの借り物だしラップトップが奪われたら仕事できなくなるしで必死になって抵抗しましたが、今思えば相手がナイフや銃など持っていたら重傷〜死亡の可能性も大きかったわけで…。
普通の日本人の経済力であれば、iPhone4程度であればそのまま渡して去らせるのがリスク管理としては一番賢いですよね。(海外旅行保険の携行品損害が使えればほぼリスクないですし…、iPhoneは新しいの買っても簡単に復元できるし)

言うならば今の私の命はiPhoneやラップトップより安いわけで… まあこういう暮らししてるし仕方がないんだけども。

鼻血がでるような怪我はあんまり痛くない

バイク強盗の人が去った後、鏡を見たら顔一面が血で真っ赤になってまして、結構鼻血が出たようなんですが、それでも鼻ってあんまり痛まないんですね。
漫画で血だらけの描写を見て痛そうって思ってたんだけど、あれくらい血が出ても案外痛くはないのかもしれない。 アドレナリンとか出るし。
他の殴られたところはあとから腫れて痛みが出てきました(´・ω・`)

必死になってるとあんまり覚えてない

あと無我夢中で持ち物を守っていたのでどんなふうに殴られたか全然覚えてなくて、耳の下とか変なところに痣があってびっくりしました。
人間必死になると余計な情報をシャットアウトするものなのだな。客観視はできないですね。
殴られた事自体覚えがなくて、強盗が去った後に鏡を見て顔が血で真っ赤になっているのを発見して『あっ、私顔を殴られてたんだ』と気付くくらいでした。鼻が折れなくて本当に良かった。

さっきも書いたとおり、きっとこの場合の最善策は『引っ張られたiPhoneをそのまま渡す』だったと思うんですよ。
だけど『自分が強盗に遭ってる』という認識自体が何秒か遅れてきた。

すぐに認識できなかった事自体を責める人もいますけど(日本人は被害に遭った人を責めるのが好きだな!)、反射神経とか脳の回路の問題なので今考えてもこれは仕方ないと思う、私も『渡してしまったほうがいい』知識としては知っていたけど現場で実際にすぐには結びつかなかったから…。最初は守るという発想すらなくて、反射でホールドしてしまったので。これは死なないように適度に被害に遭って場馴れするしかないんではないか。

しかし、相手が銃とかナイフとか使わなくて本当に良かったな。(銃を突きつけられたら、いきなり殴られるパターンとはまた脳の働き方が違うのかもしれないけど)

防犯用品は使う余裕が無いと意味なさそう

男2人に急に襲われたのでとにかく意識に余裕がなくて、殴られていた事すらちゃんと認知もできないほどだったので、防犯ベルとかスプレーとか護身用の武器とか、おそらく携帯していたとしても今回のようなケースではうまく使えなかったと思います。
同様に『iPhoneなどをさっさと渡せば問題ない』と判断する余裕もなかった。
(出そうとしている間に手のiPhoneやカバンをもぎ取られて、バイクで逃走されていたと思う)

実際に遭うまでは、遭うこと自体を防ぐためのコツは色々あると思うけど、遭ってからどうできるかというのは結構難しい…。よほど襲われることに慣れていないと、動転して頭も身体も動かなくなってしまいますね。
平常時は、反撃したり逃げたりというアクションを想像できるけど、いざとなると全然身体が動きません。持ち物を守るのが関の山だなあ。やはり護身術を習ったりするとちゃんと相手を蹴れたりするものなのだろうか?
これでは性犯罪に遭いそうになったとしても相手にうまく反撃できなさそうだ…。

こういう目に遭った時に、こうすればよかったああすればよかった、って色々言う外野が現れるのですが、実際に遭った経験があったらあの動転を経験しているわけだから、そんな事言えなくなると思うなあ…。男の体格で男に殴られるのと、女の体格で男に殴られるのとはまた違うしね。
自分はこうしているから被害に遭ってない、って言ってくる人複数いたけど、被害に遭ったのは日中なのに夜と勘違いしてそれを責めてくる人もいるし、他人の不幸を踏み台にして自分を褒めたいだけなのかもしれない。状況ヒアリングもしない机上のアドバイスなんて対策を考えるにあたってノイズなだけだし、ほんとやめてほしいなー

ダミー財布が有効なシチュエーションとは

今回、小さいポシェットをどうやらもぎ取られたようなんですが(強盗が去った後に紐だけになっていたので多分彼らが持っていったんだと思う)、いつもカードや現金を入れているのに今日に限って別のところにしまっていたので不幸中の幸いでした。

マニラにいた時は念の為にダミー財布を作って持ち歩いていたんですけど。今回みたいに有無を言わさず全てを持って行こうとするタイプの強盗にはあまり有効ではないですよね…。渡せとも言われず、力任せだったので。
有効なのは銃とか凶器をつきつけられて、金目の物を出せって言葉で要求された時くらいなのかな。

今回みたいに、ポシェットのような小さな奪いやすそうなものをあからさまにぶらさげているのがいいのかな。

いざとなると周りの人は助けてくれない

今回被害に遭ったのは確かに人通りの少ないところなんですが、実は何もない道のど真ん中ではなくて教会の門のすぐ側で、門の向こう側には人がたくさんいたんですよね。本当に声の届く範囲。

なので、大声で叫んだらすぐに誰かが助けに来てくれるんじゃないかと思っていたんですが、全く人は来ませんでした。バイク強盗が諦めて去ってからやっと人が来てくれました。

かなりの間叫んでいたので叫び声は聞こえていたはずなんですが、『子供がふざけて叫んでいると思った』と言っていて…
しかし今考えるとちょっとそれは状況からして信じがたいです…。ヘルプとかも言っていたはずだし(しかしヘルプって叫びにくいですよね、特に最後のp発音しないし。なんでこんな言葉にしたんだろう)
気付いていたけど強盗がいるうちは自分たちも危なくなるから助けるのを控えていたんじゃないだろうか?と。凶器を持っている可能性もあるし。まあそれはそれで理解のできる事ではある。治安の悪い地域なら親が子供に教え込む話かもしれない。

そう思うと、街中のような人がいるところでもあまり安心は出来ないのだな…と。
他人がいたところで力づくで強奪されたら持って行かれちゃうわけで…
プノンペンとかも、街中で何かを強奪されても多分周りの人は無関心なんだろうな、と思う空気感があります。

多分周りの人が役に立つのは、ナンバープレートを覚えている人がいて犯人が捕まる可能性が上がるとかそんな程度なのだと思う。警察が機能していればの話だけど…

女はなんだかんだ言って弱い

今回男二人に襲われたわけですけど、やっぱり女だと男性とは力が違いますね…。もちろん個体差は遭って、力の強い女性もいれば力の弱い男性もいるんでしょうけども。

私は母親が日常的に暴力を振るう人だったので殴られる事自体には慣れているんですけど、女の力でいくら本気で殴られても鼻血が出たりはしなかったので(お腹など他人から分かりにくい所を強くやられていたという事もあるけど)、やっぱり男と女の力は違うんだなあ…と変なところで納得してしまいました。男性の力強いな。

気になって調べたら、日本でもひったくりの被害者は男性10.7%に対して女性89.3%。

東南アジアの風俗の話なんかを聞いてもそうですけど、やはり男性と女性とでは生きている世界が微妙に違うんだなあと改めて思わされます。

タクシーなんかも、例えばマニラではフィリピン人でも絶対に女性だけで夜タクシーには乗らなかったので、私の中では『女性一人で夜タクシーに乗らない』というのは最低限の防犯知識なのですが、男性は割と「みんな(女性も)普通に一人で乗っているけど」って言うんですよね。
(※日本にいてこの話がピンと来ない人のために解説すると、女性だけで乗るとタクシーの運転手に暴行される可能性があるので、女性は夜間タクシーを使うのを避けるんです。車でどこか連れていかれちゃったらどうにもできないからね)

そういうのっておそらく被害に遭うまではみんな『大丈夫』って言うんだろうとは思うんですが… 私は実際にフィリピンでタクシーのレイプ被害に遭った人を知ってるし、実際に遭ってからでは「運が悪かったね〜」とか「そんな話聞いた事ないけど、ほんとうにあるんだあ〜」では済まないので、犯罪の話については『遭わなかった』より『遭った』重みのほうがずっと大きいと思っています。

(「そんな話聞いた事ないけど、ほんとうにあるんだあ〜」は過去別の被害に遭った時に友人に実際に言われた言葉です…。)

自分の判断ならまだしも、危機意識の薄い人やリスク管理が出来ない人が他人に放つ何の責任もない言葉に引っ張られて、自分が取り返しのつかない目に遭うのは避けたいですね…

女性で一人旅してる人って少なくて、見るのは男性パートナーと旅している人ばかりなんですけど、やっぱそういうのでないと危ないのかな…。そっちのほうが安心は安心ですよね。でもそれも世界が狭まるみたいで悔しいな…。くそ。

マレーシア人にジョホールバルの治安ってどうなの?と聞いてみた

今回自分で選んで来たわけじゃないジョホールバルですが、マレーシア人もジョホールバルのことをあまりよく言いません。(ジョホールバルを好きな方・住んでいる方すみません)

まず、行く前にマラッカの中華系マレーシア人にジョホールバルに1〜2ヶ月行くって話をしたら
「はあ?!なんでジョホールバルなんかに行くの?!マレーシアの中で一番物価が高くて一番治安の悪いところだよ?!自分で選んで行くなんて信じられない。なんで?マレーシアには他にもいいところがたくさんあるよ」
と言われました。
かなりDisられましたね…。(この人が特別ジョホールバルを嫌いだったのかもしれないけど)

また強盗被害に遭った後に、JBの中華系マレーシア人に『ジョホールバルで女性が一人で歩くのは危ない、やめた方がいい。道を見てごらん、誰も歩いてないよ』と言われて、道を見て改めて気がついたのですが、中心部のごちゃごちゃしたところ(JBセントラル付近)を除いて、歩いている人はほとんどマレー系マレーシア人男性の2人組や複数グループ。日本人はもちろん中華系もインド系も、確かに誰も徒歩では移動していません。言われる前と後で、街の顔が違ってみえて、ちょっとゾッとしました。

車移動がジョホールバルの基本なんですけど、それは利便性の問題だけではなく、防犯上の理由も大きいのだと。
マレーシアの男は防犯のために彼女を絶対に一人では歩かせないで、車で送り迎えするんだって。
これは夜だけの話ではなく日中もそうです。(被害に遭った後、被害時刻が夜だと勘違いした人に一方的に責められたりもしたけど、私が被害に遭ったのはまだまだ明るい日中です)

治安の問題は日本にだってあるけど…、一人で歩くこと自体が非常に危ない土地では、私のような徒歩が基本手段の旅行者は滞在を楽しむことが出来ません。(前述の通りタクシーも危ないし。JBではUberばかり使っていました。→配車サービス『Uber』、海外でタクシーの代わりに使うメリットを海外生活4年以上の視点から解説するよ – Kumi-Log
ビジネス上の理由や母子留学などの目的があって、十分にお金を持っていてコンドや車を所有している人ならまた別なのかもしれないけど、ここにあえて留まるという理由は私にはないなあ…と改めて思ってしまいました。
ジョホールバルを好きな人には申し訳ないけど…

こんなとこかな。
くそ、殴られたところが痛む。まあ相手が凶器持ってなくて本当に良かったです。
同じ物件に住んでいる中華系の人が今私のためにいい香りのするお茶を入れてくれたので、それを飲んでちょっと癒やされます。

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