バンコク医療・健康管理

バンコク・スネークファーム、予防接種・ワクチンの値段と行き方・診察の流れ [2018年11月更新]

スネークファーム・登録カードと手帳 バンコク
この記事を書いた人
Kumi

2014年1月よりデジタルノマド的に海外放浪生活を送っています。現在10年め。COVID-19の間はタイに留まっていました。その間に最愛の猫夫に出会ってしまう。
色んなところにちょっとずつ住んでみる、短期旅行でも長期滞在でもない感じが好き。現地SIM好き。

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こんにちは、くみです。

バンコクのスネークファームは旅行者のためのTravel Clinicとして有名で、日本よりかなり安い値段で様々な疾病のワクチンを打つ事ができます。長年旅行者を見てきたお医者さんが、渡航先から判断してワクチンを提案してくれます。(もちろん自分が打ちたいワクチンのリクエストも出来ます)
なので、バックパッカーや世界一周旅行者の多くが旅立つ前にここに寄っていくそうです。

長期旅行者にはかなり有名なところなので書くか迷ったんですが…、自分の記録のためにもブログに記載していく事にしました。これからも多分お世話になるし。

Kumi
以前は複数回の接種が必要なワクチンなどの情報を理解していなかったので、追記しました〜😅

[aside type=”warning”]この記事は医学的な知識に基づいた情報を提示するものではありません。ワクチンは専門家の診断とご自身の責任の上で選択なさってください。[/aside]

※ 2018年11月現在の情報です。
※ THB=タイバーツ。文中では2017年7月現在のレート 10,000円≒2,999.6 THBで計算しています。

スネークファーム(サオワパー王妃記念研究所)

正式には『Queen Saovabha Memorial Institute(サオワパー王妃記念研究所)』といって、タイ赤十字社所有の研究機関です。すぐ背後に蛇の研究機関(スネークファーム)があるので、通称スネークファームと呼ばれています。

スネークファーム外観

ワクチンの摂取記録ができるスネークファームの接種証明手帳

スネークファーム(サオワパー王妃記念研究所)で登録をするとワクチン接種の国際証明書(International Certificate of Vaccination)という赤い手帳をもらえます。ここに、スネークファームで打つ事ができる主なワクチンが書いてあり、接種記録やスケジュールを確認することが出来ます。

タイ・スネークファーム、ワクチン接種の国際証明書

接種証明手帳に記載のあるワクチンの種類

この接種証明手帳には、次のようなワクチンの接種が記録できるようになっています。

スネークファーム ワクチン接種の記録表

  • HEPATITIS A VACCINE:A型肝炎ワクチン
  • HEPATITIS A&B VACCINE:A型・B型肝炎ワクチン
  • HEPATITIS B VACCINE:B型肝炎ワクチン
  • HUMAN PAPILLOMAVIRUS VACCINE (HPV):ヒトパピローマウイルスワクチン
  • INFLUENZA VACCINE:インフルエンザワクチン
  • JAPANESE ENCEPHALITIS VACCINE (JE):日本脳炎ワクチン
  • MEASLES-MUMPS-RUBELLA VACCINE (MMR):麻疹(はしか)・流行性耳下腺炎・風疹ワクチン
  • MENINGOCOCCAL VACCINE:髄膜炎菌ワクチン
  • ORAL CHOLERA VACCINE:経口コレラワクチン
  • PNEUMOCOCCAL VACCINE:肺炎球菌ワクチン
  • POLIO VACCINE (OPV/IPV):ポリオワクチン
  • RABIES VACCINE:狂犬病ワクチン
  • TETANUS TOXOID (TT) / DIPHTHERIA-TETANUS (dT) / TETANUS-DIPHTHERIA-ACELLULAR PERTUSSIS (Tdap):破傷風トキソイド / ジフテリア・破傷風 / 破傷風・ジフテリア・百日咳 三種混合
  • TYPHOID VACCINE:腸チフスワクチン
  • VARICELLA VACCINE:水痘ワクチン
  • ZOSTER VACCINE:帯状疱疹ワクチン
  • OTHER VACCINES:その他のワクチン

聞いたことのないワクチンが結構あるな〜。さらに英語名というと、知っているものの方が少ないんじゃないでしょうか…(例えば私は破傷風は知っていてもTetanusという英語名は知りませんでした)

これらのワクチンが全て必要になるかというと、もちろんそんなことはなくて。私はアフリカ大陸に行ったことはまだないんですが、例えばアフリカに行く時には必要なもの、とかあるんじゃないかな。
そういえば黄熱病ワクチンがないですね。スネークファームで接種している人もいるようなので、Other Vaccinesに入るのかな。ここに名前が書いてあるものだけの取り扱いではなさそうですね。

複数回の接種が必要なワクチン

ワクチンの中には複数回接種して初めて抗体が完成するものがあります。(私は以前それを知らなかった… )
この接種証明手帳には、終りに近いページに『Immunization Schedule(予防接種スケジュール)』としてこのような記載があります。

スネークファーム予防接種スケジュール

ワクチン スケジュール ブースター(追加接種)
HAV
A型肝炎
0、6〜12か月
HBV・HAV
A・B型肝炎
0、1か月、6か月
HBV
B型肝炎ワクチン
0、1か月、6か月
HPV
ヒトパピローマウイルスワクチン
0、1〜2か月、6か月
INFLUENZA
インフルエンザワクチン
Single Dose
単体投与
毎年
JE
日本脳炎
0、3〜12か月/Single Dose 単体投与
MMR
麻疹・流行性耳下腺炎・風疹
0、1か月
MENINGOCOCCAL
髄膜炎菌
Single Dose
単体投与
3年
ORAL CHOLERA
経口コレラ
0、2〜6週間  2年
PNEUMOCOCCAL
肺炎球菌
Single Dose
単体投与
POLIO
ポリオ
0、1か月
RABIES
狂犬病
0、7日、21/28日 犬や猫に噛まれた時
TT / dT / Tdap
破傷風・ジフテリア・百日咳
0、1か月、6か月 10年
TYPHOID
腸チフス
Single Dose
単体投与
2年
VARICELLA
水痘
0、1か月
Yellow fever
黄熱病
Single Dose
単体投与
10年
ZOSTER
帯状疱疹
Single Dose
単体投与

あれ、ここには黄熱病がある、記録ページにはなかったのに。Single Doseだからかな。

ワクチンを選ぶ時の注意:自分はなんの抗体を今持っているのか?

日本は年代によって乳幼児の頃に受けた予防接種の種類が違うので、可能ならば予め母子手帳などで確認していったほうが良さそうです。タイの医師が日本の年代別予防接種状況まで把握しているとは思えないので…

例えば破傷風は12歳の定期予防接種で3種混合を打っていれば20代前半までは免疫があるそうで、最終接種から10年経過していたら追加の予防接種をしたほうがよいらしいです。
昭和43年以前に生まれた方はワクチン未接種のため、3回接種が必要なのだそうです。

流行りの麻疹も、年代によって違いがあるみたい。

どのワクチンを接種する必要があってどのワクチンは必要ないのか、確認できるならした方がいいですよね。病院などでそういう相談だけってできるのかな…?

スネークファーム 診察の流れ

全体的な流れは以下の通り。

  1. (初回のみ)登録作業
  2. 血圧と体温測定
  3. 医者先生の問診
  4. 会計窓口へ行き、ワクチンを売ってもらう
  5. 看護師さんにワクチンを打ってもらう

部屋を移動しながら手続きを進めなければいけないんですが、各部屋には番号が振ってあるので分かりやすいです。

(初回のみ)登録作業

まず登録に1番のRegistrationと書かれた部屋へ。(写真を撮ったのですがボケボケだったので次回また撮り直してきます…)登録に必要な用紙を記入して提出します。パスポートを忘れずに!
(2回めからは、登録カードを提示すると2の血圧・体温測定へ誘導されます)

登録カードと、予防接種の履歴が書かれた手帳がもらえます。
手帳には何のワクチンをいつ打ったかが書かれるので、安心。デジタル記録しているかはちょっと自信がないですが…

血圧と体温測定

Registration窓口のすぐ隣が血圧測定の部屋になっています。血圧を測っている最中にさっと体温を測られます(笑)
異常がないかをチェックするだけの簡単なものみたい。

医師の問診

向かいの部屋で書類を出して、医師の問診の順番を待ちます。

先生の部屋にはこんな地図が貼ってあって、Travel Clinicの雰囲気がビンビン出ています。
どの地域でどの疾病に気をつけなければいけないかが、分かりやすく色分けされています。

スネークファーム・疫病と地図のマップ

ここで、自分の渡航計画を先生に共有して相談します。いつからどれくらいどの国に行くか。
その情報から先生が必要な予防接種を判断して提案してくれます。
予算がある人は、この時に値段も聞いたら教えてくれます。

特に打ってほしいワクチンがあればそれも相談します。先生との会話は英語なので、自分が打ちたいワクチンの疾病の英語名はあらかじめ調べていった方がいいですね。
でも先生からの提案も結構あるので、結局その場で検索が忙しくなるんだけど。疾病の英語名分からないょ…

会計窓口へ行き、ワクチンを売ってもらう

先生にワクチンのチェックリストを作ってもらって、建物入り口の近くにある会計窓口に持っていき、ワクチンを売ってもらいます。この時に診察代50THBも併せて支払います。

こんな感じで、箱に入ったワクチンを受け取ります。
これをもう一度、診察室のあった部屋へ運びます。

スネークファーム・ワクチン

看護師さんにワクチンを打ってもらう

診察室とは別の部屋で、箱に入ったワクチンを看護師さんに渡して、打ってもらって終了。
疾病に関するこんな注意書きをもらえます。日本語のものもあるけど、英語しかないものも多いです。

スネークファームで私の打ったワクチンと値段の記録

新しいものから追記していきます。

インフルエンザ 500THB ・Tdap(破傷風・ジフテリア・百日咳 三種混合) 630THB(2018年10月)

インドに行くので破傷風でも打ちたいな〜と思い訪問。
問答無用でインフルエンザワクチンを追加されました(笑)。そういえば去年もインフルエンザを打たれたけど、その時は250THBだったみたいだ。2倍になっているとは。

そして破傷風ワクチンを打ちたかったのでTdapを追加したのですが、ここで破傷風が一回きりでは効かないことを知る。何なら去年打ったMMRも1回しか打ってないので聞いてないっぽい。ガーン…お金を無駄にしてしまった…

だけど、私昭和52年生まれだから基礎接種はしているはずなんですよね。(母子手帳を見れないので分からないけど…)
そしたら破傷風は1回でいいのかなあ…?

新三種混合ワクチン(MMR)350THB(2017年7月)

2017年7月接種。流行中の麻しんを含む、3種類の疾病の予防接種です。

  • 麻しん[≒はしか](Measles)
  • 流行性耳下腺炎[≒おたふく風邪](Mumps)
  • 風しん(Rubella)

英語圏ではMMRと言うそうです。3種類の疾病の英語名の各頭文字を取ってるんですね。
価格は 350THB(約1,167円)でした。

[aside type=”boader”]てっきり一回きりでいいと思いこんでいたけど、MMRは2回接種が必要という事でした…
しかし『年齢でみる不足している可能性があるワクチン(キャッチアップスケジュール)』を見ると、昭和52年の4月2日生まれ以降は1回接種しているらしいんですよね。(親がちゃんとワクチンを打ってくれていればの話だけど…)
生涯に2回接種すればいいらしいので、私大丈夫なのかなあ。今度スネークファームの先生に聞いてみるか…[/aside]

今回打ったきっかけは、目的は麻しんだったんですが、Twitterで瞑想エバンジェリストのShantiさんが『ヨーロッパに行くなら麻しんに気をつけた方がいい』と教えてくださったので。
麻しん単体のワクチンはないという事だったんですが、MMRなら麻しんが含まれているという事で打ってきました。
恥ずかしながら『麻しん』って初めて聞いたのと、『麻しん』が『はしか』と同じ病気、というのを今回初めて知りました…

インフルエンザ(Flu):250THB(2017年7月)

2017年7月接種。
これは打つつもりじゃなかったんですが、医者先生がドイツで流行しているから打った方がいい、一年効くから、というので打ってもらいました。こんな感じでリコメンドもしてもらえます。

価格は 250THB(約833円)でした。

腸チフス(Typhoid):400THB(2016年7月)

2016年7月接種。
インドに行くと言ったら医者先生に勧められたもの。
価格は 400THB(約1,334円)でした。(円計算のレートは2017年7月のものを使用)

自分ではよく分からないこういう疾病をちゃんと教えてくれるのはありがたいです。

日本脳炎(Japanese Encephalitis):460THB(2016年7月)

2016年7月接種。
インドに行くと言ったら医者先生に勧められたもの。
価格は 460THB(約1,534円)でした。(円計算のレートは2017年7月のものを使用)

日本脳炎は私の年(昭和52年生まれ)だと子供の時に打っていると思うんですが、大人になると抗体がなくなる事もあるらしいので(ネット上の知識)念のため。
しかし、ネット上の情報では3〜4回接種が必要とあったのですが、スネークファームの先生は1回でいいと言うんですよね…。謎…

私の今後の予防接種の予定

そういえば私、ずいぶんアジア歴長いのにA型肝炎(Hepatitis A)のワクチン打ってないんですよね。B型は私は心配ないんですけど…
狂犬病(Rabies)も、ワクチンを打っても噛まれた後にまた何度か打たなきゃいけないなら打たなくても同じじゃん、と思っていたんですが、どうやら噛まれたあとの猶予時間が変わったりするらしいので、念のため打っておいたほうがいいかなー…。ミャンマーでもインドでも道端で犬とじゃれちゃうので私…。
破傷風(Tetanus)も、昭和43年生まれ以降の人は子供の頃に接種する3種混合ワクチンに含まれているので20代前半くらいまでは大丈夫なんだそうですが、その後は追加接種が必要らしいので、念のため受けておきたいところです。

参考:厚生労働省検疫所 FORTH|海外渡航のためのワクチン

数回打たないといけないワクチンがあるので、滞在計画をちゃんと立てないとですね。

Kumi
アフリカやアジアなど、疾病が心配な地域に行く人にはおすすめです!一回気軽に行ってみてください。

スネークファーム・診療受付時間と診察料金

スネークファームの診療受付時間

  • 月曜〜金曜:8:30 – 16:30
  • 土曜・祝日:8:30 – 12:00(正午)
  • 日曜:休診

診察室には『8:30-11:30 / 13:00-16:00』とあったので、お昼時間と終わるギリギリは避けていった方がよさそう。タイは比較的お昼時間はちゃんと休むところが多い気がする。ホワイト。

スネークファーム・診察室のドア

この写真に書いてある『Immunization and Travel Clinic』というのがワクチンを打ってくれる場所ですね。(写真はクリックで拡大します)

スネークファームの営業時間

スネークファーム・登録料金と診察代

後述のワクチン自体の値段に加えて、一回の診察につき 50THB(約166.7円)の診察代がかかります。
また初回は登録料として 20THB(約66.7円)かかります。
非常に良心的なお値段だと思う。

スネークファーム(サオワパー王妃記念研究所)への行き方

シーロムの近くで、BTSでもMRTでも行きやすい場所にあります。日本大使館も近いですね。

▼この入口が目印。すぐ東隣にも赤十字の病院があるので、間違えないように。(私は間違えました…)

スネークファーム

初回はパスポートを忘れないようにしてくださいね〜。2回め以降必要だったかな…?タイはパスポート携帯義務があるので、いつも持ち歩いたほうが良いと思います。

おまけ:ワクチン・予防接種に関連する英単語

最後に、関連する英単語をまとめておきます。病名とか専門用語だから難しいですよね〜。
付けられるものはカタカナで読み方を一応書いたけど、発音はオンラインなどで確認してみてください。

  • vaccination(ヴァクシネーション):ワクチン接種。Vaccine(ワクチン)はそのもの単体を指すけど、こちらはワクチンを接種することを指していて英語話者とやり取りする時によく出てきます。『ワクチン』とだけ覚えていると戸惑うかも。
  • vaccinate(ヴァクシネイト):これはワクチンを接種するという動詞ですね。
  • vaccine(ヴァクシーン):いわゆるワクチン。頭が『V(ヴァ)』なので日本語発音の『ワクチン』だと分かりづらいかも。
  • booster:ブースター、免疫の追加接種。ある程度の期間が過ぎたらブースターとして追加でワクチンを接種する。
  • Immunization(イミュニゼイション):免疫を与えること、予防接種。
  • hepatitis(ヘパタイティス):肝炎。hepatitis AでA型肝炎。
  • virus(ヴァイルス):ウィルス。これもワクチンと同じく、読み方は『ヴァイルス』のほうが近いですよね。ワクチンやウィルスは日本に伝わった時の他の国の読み方だったのかな?
  • human papilloma virus:読めたら伝わる、ヒトパピローマウイルス。
  • encephalitis(インセファライティス):Japanese encephalitisで日本脳炎なのに、日本人に分かりにくい単語…(泣)何も見ずに発音できる自信がないです。
  • measles(ミーズルス):最近話題の麻疹・はしか。日本よりは安いので、タイに来たついでに予防接種するのもありかも。
  • rubella(ルベラ):こちらは風疹。
  • mumps(マンプス):流行性耳下腺炎、いわゆるおたふくかぜ。
  • meningococcal:髄膜炎菌性の。生まれて初めて聞きました。
  • oral:経口の。oral vaccineで経口ワクチン。
  • pneumococcal:肺炎球菌の。これとmeningococcalは耳で聞いても聞き取れなさそう…。
  • rabies(レイビース):狂犬病。『狂犬病』という日本語が有名すぎて、英語でなかなか覚えられないですよね。私は犬猫好きなので、英語話者の人と話す時よくこれとtick(ダニ)という単語が出てくるんですけど、最初tickも知らなかったなあ。
  • tetanus(テタヌス):破傷風。語感がなんか惑星とか神話の神っぽい感じですよね…
  • diphtheria:読めたら伝わるジフテリア。phでフなのが日本人にはぱっと見分かりづらい。
  • acellular pertussis:(非細胞性)百日咳。acellularないとまた違っちゃうのかな…?
  • typhoid(タイフォイド):腸チフス(性)の。なんかシューティングゲームのタイトルみたいですね。
  • varicella: 水痘、水疱瘡。
  • yellow fever:黄熱病。私はアフリカに行く機会が今のところなくて縁がないのだけど、世界一周する人達には必須なのかな。
  • zoster(ザスター): 帯状疱疹。人の名前みたいだ。

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