こんにちは、くみです。
2019年、ベトナムで外国人旅行者でも口座を持てる銀行ができたと聞き、『Timo Bank』の口座開設を早速試してみました。
※ 外国の銀行口座について書いています。ご利用の際はご自分でもリスクをよく調べて、自己責任の上でご利用ください。
『Timo Bank』とは
Timo Bankはアプリで便利に使えるベトナムの新しい形の銀行です。
ヴァーチャル銀行口座、と書こうとしたんだけど、リアルカードもらえるしヴァーチャルではないか。日本の言葉で言えばオンラインバンクかな?Timo自体は『digital banking』という言葉を使っていますね。
特徴としてはアプリ連動型となっており、アプリ上で様々な料金の支払いや個人間送金、定期預金の作成などが可能です。また観光ビザで入国した外国人でも手軽に作れる点も特徴的です。2019年6月27日追記:以前は観光ビザで入国した外国人でも作れたのですが、2019年6月25日に通知が来たNew Regulations for Foreignersによると口座開設が出来るのは『if he/she is permitted to stay in Vietnam for 12 months or longer.(ベトナムに12ヶ月以上の滞在許可が出ている外国人)』ということです。うーん、残念。
やはりどこも厳しくなるんですね。
ペイオフ(預金保護)については、ベトナム政府と関連団体が定めた法律下でBPbankとしての保護が受けられるそうです。
[参考:Does Timo offer insurance for my deposits? | Timo FAQ / 2.4.1. How much is the maximum amount of insured deposits?|Deposit Insurance of Vietnam]
『Timo Bank』でできること
まず『Timo Bank』がどう使えるのか?何が便利なのか?説明しますね。
ベトナムドンの預金ができる(もう50万VND札に悩まなくて済む!)
銀行口座としては当たり前の機能なんですけど、ベトナムドンの預け入れと引き出しができます。これだけでも、普段大金を持ち歩かなくていいし、また崩すのが大変な高額紙幣にもう悩まされなくてすむので嬉しい。
(50万VND札ってどこで崩そうかいつも迷いません?道端の1杯12,000VNDのコーヒースタンドに出していた強者のベトナム人も見たことあるけど、外国人だし気を使っちゃいますよね…)
こんな形でしっかり銀行の口座番号がもらえます。
後述しますが、国際送金も受けられます。
ATMやCDM(Cash Deposit Machine、預け入れできる機械)の場所はアプリから確認できます。ハイテク。
よく企業やお店のサイトなどで支店・店舗の住所がただ列記してあったり一枚一枚違うマップになっていたりするのをみますが、一つ一つ確認しないといけないから大変なんですよね。Google Maps的なものの上で自分の現在位置と一緒に確認できるのありがたい。
上の画面はホーチミンですが、ATM・CDMともにニャチャンやダラット・ダナン・フエ・ハノイなど主要都市にはあるみたいです。(ホイアンにはなさそうだった。ダナンに行けということだろうか)
これらのATMだけでなく、後述するNAPASネットワークに対応しているATMであれば無料で出金できるようです。
デビットカードを使って店頭やオンラインで支払いができる
口座開設をするとデビットカードの機能がついたリアルカードをもらえます。このカードでATMやCDMで入出金できます。
これはVISAやMasterCardのような国際ブランドは付いていないんですが(冒頭にも書いたとおりMasterCard付きのものはあるけど発行基準が厳しくなる)、ベトナム国内の店頭やオンラインの支払いでも使えるそうです。
クレジットカードやVISAデビットなどと違い、有効期限とセキュリティコードはありません。(セキュリティコードとは一般的にCVV2/CVC2と呼ばれる、裏面に記載されている数字)暗証番号は登録時に決め、アプリ上で変更ができます。
右下にある『napas』というマークはベトナムの国内決済カードの統一ブランドだそうです。
[参考:国内決済カードの統一ブランド「NAPAS」発表、競争力向上が狙い [経済] – VIETJOベトナムニュース]
試しにGrabに登録してみました。VPBankのカードとして無事認識されました。(要ベトナムSIM番号)
Lazadaの決済にも『ATMカード』とあったので多分使えるんじゃないかな。
在ベトナム中に店頭でも使ってみて、決済できたら追記します。
携帯電話のトップアップがアプリからできる
携帯アプリやWebブラウザ上のマイページから携帯電話へトップアップができます。
(ちなみにマイページも良くできており、携帯のアプリとできることはほぼ同じです。)
試しにViettelの番号にトップアップしてみたら無事に入りました。
外国人旅行者が使うのは携帯電話くらいかなと思いピックアップしましたが、他にも電気代やインターネットADSL・水道代・ケーブルテレビ・生命保険料の支払いなどができます。
送金・受け取りができる(国際送金による海外の通貨も着金可能)
Timo同士はもちろん、ベトナム国内の銀行と送受金ができます。
Timo同士や国内の送受金は無料なので、友達同士の食事の割り勘などにも気軽に使えます。
また海外からの国際送金を受け取ることもできるそうで、受取手数料は0.55%と口頭で説明されました。例えば100USDを受け取る時は0.55USDかかると。
Timoのサイトで記述が見つからないな。具体的にどの通貨を受け取れるかという説明も受けたんですけど。(外貨をTimoの口座で保持することはできず、受け取った段階でVNDに変換されます)
国際送金の方は、アプリで機能が見当たらないのでできないかもしれない。機会があったらTimoの人に聞いてみます。
定期預金が手軽に作れる ※追記:外国人は在住者のみ
アプリ上で定期預金が簡単にセットできます。
カンボジアのCanadia Bankは定期預金のことをFixed Depositと呼んでいたけど、TimoはTerm Depositと書いている。
『いつにいくらになるのか』をはっきり提示してくれるのは分かりやすくていいですね。
2019年5月現在のレートは、年の利率が4.9〜7.6%。1年預けると7.05%です。(VNDの価値の変動などありますので、リスクを把握の上自己責任でご利用ください)
ちなみに定期預金の最低預入金額は1,000,000VND(現在のレートで約4,650円)。敷居が低くて嬉しい。
Canadia Bankの米ドル定期は最低1,000USDだったので…😅
しかしとにかくアプリが便利です。設計めっちゃよく出来てると思う。
スワイプで動きもサクサク。
『Timo Bank』にかかる費用や手数料
口座作成代:無料
口座作成にかかる費用は無料です。
むしろ手続きのために店頭(Timo Hangout)に出向くとフリードリンクを一杯ご馳走になります。
ATM使用料(現金の預け・引き出し):無料
これはすごい、ATMで入出金の手数料が無料です。
送金・着金手数料:国内は無料、海外からの着金は有料
ベトナム国内での銀行の送金・着金手数料は無料です。
海外からの着金手数料は先程書いたとおり0.55%と言われました。
すべての手数料が無料というわけではなく、FAQに手数料について書いてありました。気になる方はチェックしてみてください。
[参考:Are there any fees to use Timo? FAQs Search | Timo]
『Timo Bank』口座の使い方
入金・出金方法は公式サイトにあったのでまとめておきます。
[How to Deposit & Withdraw ATM Timo for free | Timo.vn]
入金方法(Deposit)
入金方法は3つあります。
- TimoのCDM(Cash Deposit Machine)で入金(無料)
- VPbankの支店で入金(ホーチミン市店では無料)
http://www.vpbank.com.vn/locations
FAQによると、ホーチミン市以外では入出金時に0.02%の手数料がかかるみたいですね。 (最低10,000VND〜最高1,000,000VND) - 他の銀行からの送金
他の銀行を持っていなければ、現実的にはTimoのCDMかVPbankで入金することになりますね。
出金方法(Withdrawal)
出金方法は4つ書かれています。
- TimoのATM(無料)
- NAPASに対応した国内のATM(無料):ATMは国内に16,000以上あるそうです。
- スマートフォンかWebアプリを使った他の銀行への送金
- 国内のVPbankの支店(無料):これもFAQによればホーチミン市以外では手数料かかるのかな?Withdrawalの説明ページには特に明記されてなかったけど。
あとは気になるのは海外送金(送る方)ですよね。確認してこようかな〜。
Timoスマートフォンアプリ・Webマイページの機能紹介
特徴の1つであるアプリからの操作についても簡単に説明しますね。
このアプリほんと良く出来てる。ベトナムのアプリってベトナム語オンリーが結構多いので、英語が用意されているだけでも感動…
画面はスマートフォンアプリですが、Webブラウザ上のマイページも同じことができます。
トップには『口座にいくらあるか(Spend Account)』『貯金箱(Goal Save)』『定期預金(Term Deposit)』が並んでいます。
タップすると詳細が見れ、左にスワイプすると、それぞれ送金や新規貯金・預金作成などのアクションメニューが出てきます。ちなみに右にはスワイプできない。
『貯金箱(Goal Save)』は、自分で欲しいものなどの目標金額と目標日時を設定すると、1日・1週・1ヶ月いくら貯めたらいいかが計算され、その額が自動的にSpend Accountから差し引かれるようですね。確か日本のソニー銀行も似たような機能がありましたよね。
定期預金と違い、特に利率で優遇されるものではなさそうです。
下のボタンメニューですが、ACCOUNTS以外は旅行者だったらどれもあまり関係ないかなあ。
『LIFESTYLE』には旅行に関するパートナーサイトへのリンクや海外送金受け取りに関するパートナー紹介があります。海外送金関連のパートナーはTransferWise、Worldremit、OrbitRemitが紹介されていますが、パートナーサイトに飛ぶだけで、ここから何かできるというものではなさそう。
『WEALTH』には生命保険や投資・ローンなどの項目が並んでいます。
ベトナム人かベトナムで働いている外国人でなければあまり縁がなさそう…
『PAYMENT』は自分がリクエストした支払い履歴や、光熱費などの支払いの記録が並ぶことになりそうです。
次は左上のメニューです。タップすると詳細なメニュー画面が出てきます。
簡単に説明します、詳細は実際に操作してみてください。
『Share my bank details』は自分の銀行口座の詳細情報が出てきてGmailやFacebookなどでシェアできます。送金リクエスト用かな。
この画面です。なんか白くなってるけど上の四角には本来QRコードが表示されます。
『Manage Cards』ではアプリ上でカードのロックをしたり、カードの暗証番号のリセットをしたり新しいカード発行をリクエストしたりできます。
新しいカードの再発行は有料で、アプリ上で55,000VNDと表示されました。
『Manage payees』は支払先を管理するもののようです。登録先としてTimoメンバー、デビットカード(ベトナムの銀行のもののようです)、ベトナムの銀行口座がリストとして出てきます。
Timoメンバーはカードナンバーの他、銀行口座番号やメールアドレスでも検索・登録できます。
『Security & Alerts』では指紋認証設定やセキュリティコード、OTP(One-Time Pasword)、2段階認証、使用デバイスなどの設定ができます。
OTPはSMS OTPの他にiOTPといってアプリ上のOTP発行システムがあります。ベトナム国外に出たらSMS OTPは使えなくなったりするので、普段ベトナム国内にいない外国人に配慮したシステムだという説明を受けました。
『CDM/ATM Locator』は最初の方で説明した、ATMやCDMをマップから探せる機能ですね。
『Invite Friends』は紹介コードを発行できるのと、EメールやSNSでシェアができます。
『Deals』はパートナー企業によるTimoメンバー特典などを紹介しているページにWebブラウザ上で遷移します。
『FAQ』はTimoに関するFAQが確認できます。
『Feedback』はアプリに関するフィードバックですね。緊急の報告や対処が必要なものなどはここではなくコンタクトの方が良さそう。
『Contact Timo』ではTimoの支店(Timo Hangout)の場所と電話番号・eメールアドレスなどが表示されます。
右上には通知(Notifications)とQRコードがあります。
QRコードはアプリ間の送金用途かな。
▼このQRコードは私の口座に送金する用のものです。
『Timo Bank』口座開設の手順と注意点
口座開設の条件・開設に必要なもの
外国人の口座開設の条件として、以下の記載がありました。
- Age: Above 15 years.
- Must provide the following documents: Valid Passport as per law in an acceptable condition that is clearly readable and identifiable (picture and text) clearly for verification
AND
- A Valid Visa of 1 year or greater issued in the last 12 months,
OR
One of the following valid documents valid for 1 year or greater issued in the last 12 months:
- Temporary residence confirmation issued by the Police,
- Temporary resident card,
- Permanent resident card,
- Work permit
Note: Should not have an account with VP Bank or have used FECredit service.
以前は観光ビザ滞在でも開設可能だった(実際に私は1ヶ月のeVisaで開設した)のですが、2019年6月に規約が変わったという通知がありました。
現在は外国人の口座開設条件として、
- 過去12ヶ月以内に発行された1年間以上有効なビザ
- または、過去12ヶ月以内に発行された1年以上有効な下記の書類いずれか1点
- 警察による一時居住証明
- 一時在留カード
- 永住者カード
- ワークパーミット
1年以上有効なビザをどのように取得できるか分からないのですが、現実的にはベトナムで働いているか結婚したかみたいな状況なのでしょうか…、ぐっとハードルが上がりましたね…。
またベトナムの電話番号が必要になります。これはプリペイドSIMでもOKで、空港や電器店・コンビニエンスストアなどで買えます。
ベトナムのSIMについてはこちらの記事をどうぞ。
カードを受け取りに行く際にはパスポートを忘れないようにしてください。
開設の手順
まず、ウェブサイトかアプリ上から申し込みをして、カードを取りに行く日時を予約します。
(紹介リンクを用意したので、申込みの際はお使いください。記事の最後に記載しています。)
カードのピックアップは ホーチミン・カントー・ダナン・ハノイの4箇所で可能です。
受け取りの場所はTimo Hangoutといってカフェのような作りになっています。
こちらはホーチミンのTimo Hangoutです。
FAQ(What is a Timo Hangout? FAQs Search | Timo)には
『Timo’s Hangout is an innovative concept for our bank branch. Instead of traditional branch with tellers, we have a cozy coffee shop with TCRs so that you can visit to open an account, or simply to meet up with friends.』(Timo’s Hangoutは、私たちの銀行支店にとって革新的なコンセプトです。 伝統的な銀行窓口の代わりに、TCRたちがいる居心地の良い私達のコーヒーショップで口座を開設したり、または単に友達と会ったりすることができます。)
とあり、店舗のコンセプトにもかなり気を使っていることが伺えます。
※ TCRとはTimo Care Representative、Timoのサポートエキスパートのことのようです。ググっても分からなくて、FAQにあった。造語でした。
フォームの記入は特に困った覚えがないので、多分すんなり行くんじゃないかなあ…
あとは予約した日時にTimo Hangoutに行き、簡単なインストラクションと申込みの手続きの残りをしてカードと暗証番号が書かれた紙を受け取り、アプリからアクティベーションをして終了です。
サインを何度か書かされるので、練習していったほうがいいかも…
ホーチミンのTimo Hangout内にはCDM(預け入れできる機械)があり、すぐに預金できました。さっそく手元の50万VND札を突っ込みました。
開設の際の注意点
パスポートとベトナムSIM番号は必須なので忘れないようにしてください。(申込み時にベトナムのものでない番号を入れても受け取り当日必要になります。なりました。)
当日アプリからアクティベーションをするので、アプリは先にスマートフォンにインストールしておいたほうがスムーズです。(現地にはWi-Fiもあります)
また、受け取り当日の説明は全て英語で受けます。分からないところがあったら遠慮なく聞き返しましょう。
私は英語が堪能なマレーシア人とセットで説明を受けたので、確認のために遮るのにちょっと勇気がいった…😅
関連記事
カンボジアのCanadia Bank開設時の記事を書こう書こうと思ってはや3年くらい経ってしまった…😢
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